しらたま君は三毛猫の男の子です
以前にもお話ししたことがあるんですが・・・
三毛猫のオスって珍しいんですよね
1000頭に1頭とか、3000頭に1頭とか言われています。
なぜ少ないのかというと・・・

毛色というのは遺伝子によって決まります。
遺伝子は染色体というものの上にあり、この遺伝子はこの染色体のここというように決まった場所があります。
猫の細胞一つには38本の染色体が19のペアを作っています。(人は46本23対です。)
子どもは父親と母親から19ずつの染色体を受け継いでペアを作ります。
染色体のうち18対は常染色体というもので同じ形のものがペアになります。
つまり、遺伝子も両親から原則的には1つずつ受け継ぎます。
残りの1対が性別を決定するXY染色体というものなんですが、XとYの形が違うんです。
XXがメスで、XYがオスになります。
毛色を決定するカラー遺伝子は9種類あって、これも父猫、母猫から1つずつもらいます。
この遺伝子のうち、オレンジ(茶色)を決定するO遺伝子(OはオレンジOrangeのO)というのはX染色体の上にしかありません。
O遺伝子にはO(ラージオー)とo(スモールオー)という種類があります。
O(ラージオー)遺伝子は黒い毛を茶色の毛に変えるよう命令し、反対にo(スモールオー)遺伝子は黒いままにするよう命令します。
オスの性染色体はXYなのでO遺伝子は1つ、メスはXXなので2つもちます。
この組み合わせはO(♂)、OO(♀)、Oo(♀)、o(♂)、oo(♀)の5種類になります。
O、OOの場合は茶色、o、ooは黒色、そしてOoのときだけが黒と茶色両方の色をもつ猫が誕生します。
つまり、三毛猫とサビ(べっこう)柄の猫は理論上はメスになります。
では、なぜオスが生まれるのでしょうか?
ひとつはクラインフェルター症候群というXXYという染色体をもつオスが生まれることがあります。
この染色体のXXの部分にOoという遺伝子があればいいのです。
クラインフェルター症候群の三毛オスが生まれてくる確立は3万分の1といわれています。
このオス猫は通常繁殖能力を持ちません。
その他にも、一つの個体の中で遺伝的に異なる細胞が混在する場合(モザイクといいます)、遺伝子乗り換えによりオレンジを決定する遺伝子がY染色体に乗り移った時にも三毛猫のオスが生まれることがあります。
この場合は繁殖能力をもつことがあります。
ただし、この三毛オスから三毛オスが生まれる確率は高くなりません