2011.10.31更新
一昨日の記事のらんちゃんが退院します。
脾臓に腫瘤(しこり)ができて、お腹の中に出血していたので、脾臓摘出の手術をしました。
病理組織検査の結果、腫瘤は過形成病変でした。
過形成病変とは腫瘍ではなくて組織が増殖するもので、転移したりはしません。
らんちゃんは出血量がそれほど多くなかったので、術後の回復も良く、今日退院になりました。
おめでとう
投稿者: あやい動物病院
2011.10.30更新
皮膚にイボのあるわんちゃんが来院しました。
針を刺して細胞を検査しましたが、はっきりしません。
ちょっと気になる細胞もみられたので、局所麻酔でレーザーを使って手術しました。
皮膚表面にある小さなイボのようなものは、局所麻酔でレーザーを使用して手術することがあります。
金属のメスは出血しますし、電気メスは体に電気が流れるので局所麻酔の手術は難しいです。
レーザーは止血作用があり、表面の温熱刺激ですので、局所麻酔で体表面の小さいイボのようなしこりの手術ができます。
ただし、すべての症例で使えるわけではありません。
それから、診察台の上でおとなしくできるわんちゃんに限ります。(ねこちゃんはかなりむずかしいです。)
投稿者: あやい動物病院
2011.10.29更新
入院中のらんちゃんです。
2~3日前から元気がないと来院しました。
お腹の中に何か触れたので、レントゲンを撮りました。
腫瘤(しこり)があります。
位置的には脾臓の位置です。
脾臓は血液流入の多い臓器なので、破れると大量出血の危険があります。
血液検査で貧血はなかったのですが、止血剤を投与して入院、手術することにしました。
手術前にエコーの検査をして、脾臓にしこりがあるのを確かめています。
手術中の写真です。
一部が破れて、腹腔内で出血していました。
脾臓ごと摘出しました。
摘出した脾臓は病理組織検査に出しています。
悪性腫瘍の可能性もありますが、腫瘍以外でもおこりえることです。
脾臓にあるしこりは様子をみるのは危険です。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.27更新
昨日、胃切開の手術をしたマイクロフト君です。
嘔吐が続くということで来院しました。
レントゲンを撮ると・・・

小腸にガスがたくさんあるのがわかりますが(黒っぽいホースみたいにみえるところです)、胃はよくわかりません。
吐き気止めを注射して、造影剤(今回はバリウム)を飲ませました。
そして、時間をおいて何回kもレントゲンを撮るのですが・・・
2時間半後です。

青い↑が胃なのですが、まったく流れていません。
また、赤い↑の部分がくっきり写っています。
開腹手術をしました。
胃の中にこんなものがありました。

繊維状の異物と、土か肥料のようなものと、細長い葉です。
ハサミのようなものは手術に使用した器具です。
飼主さんが気付かないうちに食べてしまうこともあります。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.26更新
当院の診察時間は9時~13時、16時~20時です
13時~16時までは昼休みですが(13時ちょうどに診察が終わることはまれです)、昼休みに何をしているかというと・・・
もちろん昼ご飯を食べます
それから、薬や処方食の仕入れ業者が来ます。
そして、診療時間中にできない時間がかかる処置やエコー検査、手術を行います。
検査、避妊・去勢手術などは、ほとんど時間内に終わるんですが・・・
腫瘍の手術や歯科処置で午後の診察時間に食い込むこともあります
獣医が一人ではないので、16時には午後の診療を開始しますが、担当医が手術中の時はお待たせすることもあります。
よろしくおねがいいたします。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.25更新
この前点滴の機械の話をしましたけど・・・
食餌を食べない時、静脈点滴や皮下補液をしますが、
よく飼主さんは点滴で栄養をとっていると思っていらしゃるみたいですね。
そういう点滴もあるのですが、ほとんどの場合ちがいます
点滴をする理由の多くは脱水症状の緩和と電解質の補正、それと循環をよくすることです。
静脈点滴の時は糖は流すことはよくありますが、カロリー摂取ということを考えると、アミノ酸や脂質も必要です。
多くの場合、アミノ酸や脂質は緊急の必要性ががないので、あまり使用しません。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.24更新
~胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)~
聞きなれない病気かと思いますが、中高齢のわんちゃんにときどきみられる病気です。
胆嚢は肝臓でつくられた消化液の胆汁をたくわえる袋状の器官で、胆嚢が収縮することにより胆汁は胆管という管を通って十二指腸に排泄されます。
胆嚢粘液嚢腫はサラサラした胆汁の粘張度が高くなりドロドロになって、胆嚢がうまく収縮できなくなる病気です。
悪化すると肝臓に負荷がかかったり、胆嚢が破裂することもありますが、よほど悪化しないと臨床症状を示さないので、やっかいな病気です。
治療は手術で胆嚢を切除するのですが、合併症も多く、慢性的な病気ですので、飼主さんと相談して内科的な治療を行うことが多いです。
血液検査で疑いのある所見が認められることもありますが、わからないこともあります。
診断はエコーの検査で行います。

胆嚢粘液嚢腫のエコー像です。
胆嚢は通常黒くうつるのですが、中に構造物がみられます。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.23更新
当院では点滴は機械をつけて流量の管理をしています。
多くの動物病院がそうしているかと思いますが、人の病院でよくしている点滴のチューブの調節では、小さい動物の点滴の流量の管理が難しいからです。
動物は動きますし、まして腕を伸ばしてじっと点滴が終わるのを待ってはくれません。
この機械、輸液ポンプと言うのですが、設定した流量で点滴を流してくれるのと、流れづらくなったときには自動停止して、教えてくれます。
投稿者: あやい動物病院
2011.10.22更新
前回(10月8日、記事は9日です)、カンナちゃんの口唇の裏にできものができて、歯が当たったんじゃないかと思い経過観察をしていました。
前回の写真です。
今日の写真です。
目立たなくなってます

今日で、抗がん剤の注射は終了で、あと4ヶ月内服を続けます。
今後は、月に1回の通院になります。
がんばれ、カンナちゃん
投稿者: あやい動物病院
2011.10.21更新
みなさん心臓病の検査といって思いつくものってなんですか?
聴診器、心電図、レントゲン、エコーなどだと思いますが・・・
血液検査でも心臓の検査が出来ます。
BNPというものなんですが、おもに心室壁から分泌されるホルモンで、心臓が悪くなるにつれて高値になります。
現在、検査は外部の機関でしかできないので、結果報告に1週間かかるのと、この検査では心臓のどこが悪いか特定できませんが、
初期の心臓病がみつけやすく、検査を嫌がり、あばれるわんちゃん、ねこちゃんの心臓の検査が採血だけでできます。
投稿者: あやい動物病院